ここでは皮膚がんの一種といわれる肥満細胞腫について解説します。
発症した場合、ほとんどが悪性で早期の手術が必要になります。
人間のガンと同じように早く取り除かないと転移の可能性もある怖い病気です。

肥満細胞腫とは
肥満細胞腫は主に皮膚に出来てしまう悪性の腫瘍(ガン)のことです。
皮膚以外には筋肉や粘膜、内臓にできることもあります。
「肥満細胞」という呼び方ですが、肥満の犬だけでなく全ての犬種、体格の犬に発症する可能性があります。
最初はちょっとしこり程度だったり、イボのように見えるのでガンとは思わない人も多いです。
犬も最初はそこまで体調の変化が出ませんが、腫瘍が大きくなると細胞を構成するヒスタミンやヘパリンを排出してしまい、胃腸に変化が生まれます。
具体的には、嘔吐や下痢など。
また皮膚の炎症は一向に収まらず、赤みを増してくるケースが多いです。
グレードが3つに分けられる
症状によってグレードが3つに分けられます。
| グレード1 | グレード2 | グレード3 | |
| 転移の可能性 | 0~10% | 10~40% | 50%~ |
| 治療法 | 摘出手術 | 摘出手術+放射線治療(あるいは抗がん剤治療) | 摘出手術+抗がん剤治療(あるいは放射線治療) |
| 再発の可能性 | 低い | 可能性あり | 起こりやすい |
グレード1はしこりが1cm以下で周囲への転移も見られない場合です。
グレード2もまだ転移はありませんが、腫瘍が大きくなり、転移の可能性がある状態。
グレード3はすでに腫瘍が成長してしまっていて、進行が加速している状態を指します。リンパや臓器への転移も考えられます。
早期の発見ならグレード1となり、手術することによって転移や再発を防ぐこともできます。
肥満細胞腫は血液検査やレントゲン検査、超音波検査など複数に渡り検査して分かります。
皮膚に腫瘍がみつかれば、肝臓や脊髄などのチェックも行います。
転移しているかどうか調べるためです。
治療は手術が必要
腫瘍が見つかった場合、それを取り除く手術を行います。
腫瘍の大きさにもよりますが、腫瘍とその周辺2、3センチ程度摘出する方法が一般的です。
基本的には外科治療での手術になりますが、転移が複数ある場合や体力的に厳しい老犬の場合は放射線治療や抗がん剤治療で対応していくことになります。
基本的にはグレード2以上になると目に見えないレベルでの腫瘍が考えられるため、外科治療だけでは切除しきれない可能性が高いです。
残った部分は放射線療法で消去します。
その後施術部位を縫合し、数日間入院して様子をみます。
もし転移がかなり進行していて、手術の体力もない場合は注射や内服薬によって転移を遅らせたり、症状の悪化を防ぐ方法があります。
ただ、外科手術や放射線のような効果は見込めないため、余生をゆっくり過ごしたい犬向けの治療となります。
参考資料:
http://www.chayagasaka-ah.jp/oncology_about/
http://www.samec.jp/owners/2013/12/post-26.php


