菌次郎先生やあ、菌次郎だよ。今日は、ぼくがいちばん好きな話をさせてね。犬のお腹の中に住んでいる、小さな住人たちのことなんだ。
犬の腸の中には、数えきれないほどの菌が住んでいます。こうした菌の集まりを「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」や「腸内フローラ」と呼びます。お花畑のように、いろいろな種類の菌が、それぞれの場所で暮らしているイメージです。
菌たちは、どんな仕事をしているの?
腸の菌たちは、ただ住んでいるだけではありません。わかってきていることを、いくつか紹介します。
- 食べたものを分解する:犬が自分では消化しにくい食物繊維などを、菌が分解します
- 体に役立つものを作る:分解するときに、腸の壁の栄養になる「短鎖脂肪酸」などを作ります
- よその菌が増えにくくする:住人がたくさんいることで、外から来た困った菌が住みつきにくくなります
- 体を守るしくみと関わる:腸は体を守るしくみ(免疫)が集まる場所でもあり、菌たちとやりとりしていると考えられています
まだ研究の途中のことも多く、「この菌がいれば元気」と言い切れるほど単純ではありません。
住人たちのバランスが変わるとき
腸の住人の顔ぶれは、毎日少しずつ変わっています。とくに影響が大きいのは、次のようなときです。
- ごはんを急に変えたとき:新しいごはんに合う菌が増えるまで、少し時間がかかります
- 抗菌薬(抗生物質)を飲んだとき:困った菌と一緒に、いつもの住人も減ることがあります
- 環境が変わったとき:引っ越し、旅行、ペットホテルなど、緊張する出来事のあと
- 年をとったとき:子犬のころ、成犬、シニアで、住人の顔ぶれは変わっていきます
お腹の様子は、うんちに出る
腸の中は見えませんが、うんちはいちばん身近な手がかりです。かたさ、色、におい、回数を、ふだんからなんとなく覚えておくと、変化に気づきやすくなります。
こんなときは動物病院へ
下痢や嘔吐が続く、血が混じる、元気や食欲がない、といったときは、菌のバランスだけの問題とは限りません。早めに動物病院に相談してください。抗菌薬は、自己判断でやめずに、言われた日数を飲みきりましょう。
菌次郎先生小さな菌にも、大きなひみつがあるんだよ。おっと、また菌の話が長くなっちゃったね。今日はうんちを見て「いつもどおりだね」と確かめるところから始めてみよう。
一般的な目安です。犬によって体質や体調は違います。気になることがあれば、動物病院に相談してください。